PROPOSAL20

96 継続は力なり

小学5年生の時、同じクラスにとても字の綺麗な男の子がいました。

ある時、彼に「どうしてそんなに字が上手いの?」と尋ねました。

彼は小学生になった時に「字が雑だから毎日字を書く練習をするように」とお父さんから言われたのだそうです。

お父さんは毎晩仕事から帰ってくると、彼が練習したノートをチェックします。

翌朝、彼はお父さんがチェックしてくれたノートを見ます。

このサイクルが親子のコミュニケーションを図ると同時に自然と習慣化したそうです。

毎日続けた結果、彼は教科書に書かれている字のような綺麗な字を書くようになりました。

あまり得意でないことに正面から向き合った結果、克服し、自分の得意なこと、自信をもてるものになったというわけです。

何かに取り組んだ時、目に見える変化はなかなか感じられません。実感できません。

一見何も変化が見えなくても、一週間、一か月、一年、と時が経てば必ず変化は表れます。

続けることが大切なのです。

少し前にネットで話題に挙がっていた、1.01の法則と0.09の法則。

ご覧になりましたか?

毎日ちょっと頑張る(1.01)
1年365日続けると、1.01の365乗は37.7834343

毎日普通にこなす(1)
1年365日続けると、1の365乗は1

毎日ちょっと怠ける(0.99)
1年365日続けると、0.99の365乗は0.0255179645

継続は力なり。

さて、あなたはどちらを選びますか?

97 命の大切さ

飼い犬が死んでしまい、悲しんでいる父親の姿を目にした子供が大真面目に
「パパ、新しい電池を入れればいいんだよ!」
と言ったという話を聞きました。

非常に驚きましたが、少し考えてみると、経験したことがなければ、教えてもらわなければ、死というものがわからず、電池で動くおもちゃや電化製品と同じ様に考えてしまうことは、想像できなくもないのかもしれません。

身近な人の死を目の当たりにして、死とはどういうものか?
命あるものは死んだら生き返らない、
だから限りある命を大切に一生懸命生きなければいけない、
ということを自然と知るものだと思っていました。

けれども、最近はそういう機会がない子供も多いようです。

命の大切さ、命は何よりも重いこと。

死んだら生き返らないこと、取り返しがつかないこと。

それ故、命を疎かにしてはいけないこと。

興味本位で傷付けてはいけないこと。

これらを真剣に子供に伝えていただきたい、と切に願います。

98 子育ては親育て

ご存知の通り、私たち親は子供を育てることにより自分も育っているのです。

親の気持ちは親になって初めて理解できることが多々あります。

恐らく皆さんも自分の親の有難さをひしひしと実感したことでしょう。

親になって初めて経験できたことも多いと思います。

その経験をすることができたのは親になれたから。

嬉しい経験、辛い経験、色々な種類の経験だと思います。

それら全て私たちの成長の糧となるのです。

私たち親は子供のお陰で更に成長できるのです。

自分以外に、自分以上に大切に思える存在があること。

その存在の為すことに喜怒哀楽を感じられること。

これ程の幸せは何ものにも代えられません。

私たちは親であること親となれたことに対して、感謝の気持ちを忘れずにいたいと思います。

99 十人十色

5人の子供、10人の孫を見ているからこそ言えることがあります。

子供という観点からみるとみな似ているところは沢山ありますが、よくよく観察するとそれぞれ個性があります。

まずやってみる子。慎重な子。頭の回転が速い子。子供らしい素直な子。泣いて周りの気を引く子。ちょっとやそっとでは泣かない子。

一人ひとりは自分らしさを持っているのです。

それぞれが役割を担い、社会を形成しているのだなと感じます。

一人ひとりが別々のカラーを持っているから全体で色とりどり、バランスがとれるのでしょう。

一人でどんどん行動する子。誰かと一緒にやりたい子。納得してから始める子。

その子に合った接し方が必要です。「十人十色」ですから。

褒められて伸びる子。褒められて浮かれてしまう子。叱られて悔しさをバネに伸びる子。

一つの方法が良いのではなく、子供によって接し方は異なる、ということを頭に置いておいて下さい。

そして、基本は愛情と信頼関係です。これはぶれません。

できないところを指摘するのではなく、できること、そのままの子供を認めてあげることが大切です。

認めてもらったその経験が自信を持って生きていく原動力となり、生きる力を育てるのです。

100 自分の常識、他人の非常識

子育てをしていると、今までとは違う、子供を通しての人付き合いがあると思います。

なかには当惑してしまうような人に出会うこともあるでしょう。

育った環境や経験してきたことがその人の常識を作ります。

ですから、環境や経験が違えば、常識も異なります。

例えば、目玉焼きに何をかけますか?

ソース、醤油、マヨネーズ、塩など人それぞれです。

自分にとって当たり前のことが、他の人にとっては驚きであったり、信じられないことであったりします。

何故?どうして?

自分の基準と違う基準に遭遇すると、理解できないかもしれません。

理解しなくてもいいのです。

そういう人もいる、ということを認めることができれば、心の幅、余裕を持っていれば、自分自身がラクになります。

自分と違う人もいる、ということを予め知っているのと知らないのとでは、大違いです。

そして、多くのものを受け入れられる度量の広さは、自分の気持ちを穏やかにしてくれます。

自分にとっては普通のことでも、他人にとっては理解できないこと、その逆もあります。

自分の価値観は大切ですが、それを他人にまで当てはめようとしてはいけません。

自分と違うからおかしい、と思うとどんどんストレスが溜まってしまいます。

実に様々な人が存在しているのが人間社会です。

この社会で生きていく、子育てをしていくにあたり、
「自分の常識、他人の非常識」
という言葉を頭の片隅に置いておいて下さい。

加えて、自分の権利ばかりを主張するのではなく、どうしたら物事がスムーズに運ぶのか、という視点を一人でも多くの方に持って欲しいと思っています。